Introduction
☆ 注意
このページでは、鍵盤や再生ボタンを押すと音が鳴ります!
音の出る環境でお楽しみください。
◆第1回 調性ってなーに?
ピアノなどの楽器、そして普段耳にする多くの音楽は、全部で12種類の音でできています。
おなじみ ドレミファソラシの7種類の白鍵 と
2つの白鍵の間にある5種類の黒鍵
この中から白い鍵盤7種だけを使って、[ドレミファソラシ]の名前で、いろんな歌を歌うことができますね。
♪ミミドーレミソソラソ レーミードレソミー
♪ソドドーレ ミソドラソ ラドドーレーミー
[ドレミファソラシ]の7種類の音の中で主人公といえば、1番目の[ド]の音ですね。
このような音楽は、主人公[ド]を中心として、7人の登場人物の人間関係が展開される舞台のようでしょう。
[ドレミファソラシ]の7人が、いろんな組み合わせで重なり、流れ、絡み合うことで、耳に心地の良い[音楽]ができあがるのです。
これが「ハ長調」、きほんの調性です!
でもね、
じつは、[ドレミファソラシ]って1つだけじゃないんです
指の間隔を保ったまま、左右にずらして弾いてみると、どの鍵盤から始めても、[ドレミファソラシ(ド)]って聴こえませんか?
☆ やってみよう!
を押すと、キーをひとつずつずらすことができます。
キーを変えて、着色された鍵盤を左から順番に押してみましょう。
を押すと自動演奏されます。
主人公になる鍵盤[ド]に対して、それぞれに対応する[レミファソラシ]の6人の登場人物が必ずいます。
そう、[ドレミファソラシ]には12種類あって、
12の鍵盤全員が、それぞれ音楽の主人公[ド]になることができるんです!
この全12通りの[ドレミファソラシ]の組み合わせそれぞれのことを、「調性(キー)」と呼びます。
いつも聴いているあの曲も、名前も知らないあの曲もみんな、どれかの鍵盤を主人公[ド]に選び、[ドレミファソラシ]の7音の登場人物によって作られています。
そう、12種類しかない音の中の、さらにたったの7種類です。
(ときどき、ちょっとだけ他の5音の力を借りることもあります。そのお話はまた今度の機会に)
そして、曲全体の音をあげたり♯さげたり♭すると、その曲の主人公[ド]を交代させることができます。
それでは、この曲の主人公[ド]の音を、いろんな音に変えてみましょう
☆ やってみよう!
を押してキーを変えて、音源を再生
してみましょう。
選択中の調性の構成7鍵盤[ドレミファソラシ]が着色されています。濃色が[ド]です。
下部の12鍵盤では、すべての高さの音が1オクターブの範囲に変換されて光ります。
MIDI音源によって各音が鳴らされた回数が棒グラフで表示されます。
停止またはキーの変更でカウントがリセットされます。
キーは最初は原曲の調「±0」(この曲は「ニ長調」)に設定されています。
いろんなキーで聴き比べてみましょう!
♪ Canon / Pachelbel
MIDI from: フリーBGM Music with myuu
どの鍵盤が主人公でも、ちゃんと同じ曲に聴こえますね。
それに、着色された7音以外の鍵盤はほとんど光りませんでした。
そうなんです、12通りの配役違いの舞台を、12種類の鍵盤たちは、すべて完璧に演じてみせるんです!すごい!
さて、聴き比べてみて、いかがでしょう?
同じ曲なのに、選んだ主人公の鍵盤によって、曲の色合い、雰囲気、性格が、なんだかちょっとずつ違うようには聴こえませんか?
このように、あらゆる楽曲には、12種類の調性(12鍵の主人公)が選ばれた可能性があり、そのなかから1つの調性が選ばれて、世に生み出されました。
ある曲に対して、その調性が選ばれるときの理由はさまざまです。
作曲者の好み以外にも、ボーカリストにとっての歌いやすさとか、楽器の音域・チューニングとか。
でも、どんな経緯で選ばれた調性であれ、彼らは聴き込めば聴き込むほどに、その調性ならではの魅力を放っています。
さらに同じ調性のいろんな曲と出会うことで、あるいは一つの曲を違う調性で聴き比べてみることで、それぞれの調性に対するイメージが、だんだんと浮かび上がってくるでしょう。
12の調性たちは、たった7種類の音を使って、多様な感情、思想、ひいては生き様を克明に描き出す可能性を秘めた、すごい仲間たちなんです。
あなたは、音楽を聴いたり演奏したりする時に、調性というものを意識したことはなかったかもしれません。
ですが実は、耳のよいあなたは、これまで彼らの名前を知らなかっただけで、
本当はある調性のことを、密かに大好きだったとか
不思議とあの曲に惹かれたのも、あの曲を思い出したのも、実は調性のしわざだったとか
そんな、ちょっと運命みたいな発見があるかもしれません。
そうしたら、今度は
未知なる沢山の最高な音楽との出会いにつながるかもしれません。
耳慣れた曲たちが、全然違うこの曲とあの曲が同じ7音でできていた、なんて事実で繋がって、新たな視点でもっと好きになれるかもしれません。
あなたのこれまでの音楽とのおつきあいを「調性」で振り返り、これからの音楽ライフをよりカラフルなものにしてみませんか?
さあ、あなただけの12人のよき友人「調性」たちとたくさん仲良くなって、一緒にさらに音楽を楽しみましょう!
☆ やってみよう!
Spotifyプレイリスト調性分析
ページで、気になる楽曲が入った公開Spotifyプレイリストを分析してみましょう。
12調性のうち、あなたが特に好きな調性がわかるかも……?
- 第2回 調号ってなーに?へ続く -











